1. トップ
  2. 改革事例
  3. 技術コラム
  4. 本来業務課題の気づきと改善アプローチ

本来業務課題の気づきと改善アプローチ

プロローグ

戦後の高度経済成長期の製造業は、革新的な技術の導入や創造的な商品開発、新規事業展開や 事業再編、工場や事業所の開設や組織の再編成が目白押しでした。しかしながらバブル崩壊後、 「良いものをより安く」からデフレ経済に突入し「値下げ競争」になった結果、コストを最優先 とすることが多くなって来ています。また、製造業の現場では、機械化・自動化やIoT・AIの波が 押し寄せ、否応なしに業務体質の変革を迫られており、より少人数で高い生産力や品質を求められ ています。その一方で、経験者の退職やアウトソーシングや業務委託が加速することで、次世代へ の知見やノウハウの継承が増々困難になってきました。


ものづくりの現場の悩み

高度成長期からデフレ経済になり、より少人数で高い生産力や品質を求められているなか、最近、工場の経営陣の方々から、色々な悩みをお聞きすることが多くなってきました。
・製造の現場や間接部門を横断して、見ることができる人がいなくなり、過去に組織やルールの変更や
 改善を繰り返してきた経験値やノウハウを受け継いでこれていない。
・部門にまたがった課題の本質に気づくことができず、自分達の業務を変えたいという意識が芽生えない。
・現場の課題認識と事業目標の目的や方向性を一致させることが難しい。
・自分たちで目的達成までのシナリオが描けず、目標の設定をすることができない。
・これまでの課題要因分析では、ネガティブな発想しか生まれず、改善活動が作業効率(ムダ取り)の
 積み上げになってしまう。
・継続的な改善活動ができないため、効果が積みあがって行かない。

課題の認識

これまで、幾度となく、コンサルタント主導のもと、業務改革やシステム改革が行われてきましたが、プロジェクトが道半ばで頓挫し、十分な効果が生まれないままになっていたり、 現場の改善の意識を根付かせることができませんでした。トップダウンの業務改革プロジェクトは、多くの労力と時間やコストがかかり、効果の刈り取りまでに時間がかかってしまいます。 また、プロジェクト推進体制を維持することが難しく、事業の状況変化で、収束せざるを得ないことも多々見受けられます。ボトムアップでの業務改革プロジェクトでは、上位の事業方針や プロジェクト目的(方針)をもとに、各ワーキンググループの目標設定から入りますが、現状課題の認識をするための課題要因分析からでは、ネガティブな発想しか生まれず、改善活動が 作業効率(ムダ取り)の積み上げになってしまいます。

解決策

これまでの一般的な課題要因分析では、現状の課題認識からのネガティブな発想しか生まれず、改善目標が作業効率(ムダ取り)の積み上げになってしまう事が多く、 継続的な改善活動にすることが困難です。我々は、これまでの現場の課題認識の実態や現場主導型の業務改革の経験を通じて、現場の気づきと改善力をつける事が もっとも重要と考えるようになりました。つまり、本来業務の気づきから、ポジティブシンキングによる課題認識、現場サイドからの改善意識を高めることで、 本質的な課題解決の道筋を見つけることができる、「本来業務課題の気づきと改善アプローチ」をみいだすことができました。

本来業務課題の気づきと改善アプローチ

私たちの「本来業務課題の気づきと改善アプローチ」は、現状業務の実態を把握するための役割や職制ごとの業務工数を把握することから始めます。 役割や職制ごとの業務工数を紐解くことで、本来業務のありかたや現状課題が見えてきます。そして、現場サイドからの本来業務の気付きを基に、 本来業務イメージの設定、ポジティブな発想から本来業務実現要素を抽出し、本来業務の全体像を明確にし、現状とのギャップと重要要素の抽出結果 から改善実行計画を策定します。

Step1:本来業務実現イメージの設定
 ・本来業務の目的/業務所掌の確認
 ・現行業務と本来業務実現イメージの設定
Step2:本来業務実現要素の抽出、全体像の明確化及び現状とのGapと重要要素の抽出
 ・実現要素の抽出及びグルーピング
 ・関連性整理による全体像の明確化
 ・現状とのGapと重要要素の抽出
Step3:実行計画策定
 ・実行計画の検討

これまでのトップダウンの業務改革のアプローチだけでは、本当の意味での業務改革の目的を達成することは困難です。 私たちは、本来業務の気づきから、ポジティブシンキングによる課題認識、現場サイドからの改善意識を高めるからこそ、継続的に本質的な課題解決の 道筋を見つけることができると確信しています。

一覧へ戻る